海外FXのXMでは、国内業者並みに狭いスプレッドを提供するかわりに外出し式の取引手数料が発生する「XM Zero口座」というECN方式の口座が用意されています。STP方式のスタンダード口座・マイクロ口座よりもコストを抑えられるのが最大のメリットですが、スプレッドと手数料が別々に掛かってくるため、トータルコストを把握しづらいのが難点です。
この記事では、イマイチ分かりづらいXM Zero口座の取引手数料の求め方、スプレッド含めたトータルコストの考え方について解説していきます。
XM Zero口座とは
XM Zero(ゼロ)口座とは、スタンダード口座やマイクロ口座よりもスプレッドが抑えられた口座です。「Zero」の名のとおりドル円やユーロドルのスプレッドは最小0で、開いても0.2~0.3pipsと極小。ポンドドルは0.2~0.4pipsほど、ユーロ円は0.6~0.8pipsほど。
がしかし、このZero口座は顧客同士を直接マッチングさせるECN方式をとっているため、スプレッドに業者側の取り分は含まれていません。そこで設けられているのが外だし式の手数料で、スプレッドとは別に1ロット(10万通貨)あたり片道5通貨 = 往復10通貨の「取引手数料」が上乗せされます。
XM Zero口座のメリットとデメリットについては、こちら↓の記事にて詳しく解説しています。
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取引手数料の求め方は?「1ロットにつき往復10ドル」の意味
スプレッドとは売りレート(BID)と買いレート(ASK)の差を指しており、MT4/MT5の発注画面を見ればひと目で分かります。一方の取引手数料はというと、ポジションを発注した時と決済した時にそれぞれ半分(片道)ずつ発生するため、コストを把握しづらいのが難点。
XMの公式ページによれば、「1ロット = 10万通貨の取引に対し片道5ドル = 往復10ドル」としています。
Q:XM Zero口座には手数料がありますか?
A:はい。XM Zero口座の手数料は$100,000のお取引に対して$5となります。 MT4プラットフォームの手数料はお取引発注時に往復分(発注と決済)がまとめてお口座から差し引かれます。 MT5プラットフォームの手数料はお取引発注時と決済時にお口座から差し引かれます。
ただ、これには少々語弊があり、厳密にいえば1ロット(10万通貨)の取引に対し片道5通貨 = 往復10通貨の取引手数料が掛かります。ここでいう「通貨」とは取引する通貨ペアの左側を指しており、USDJPYやUSDCAD等の場合は1ロット(10万通貨)につき片道5ドル = 往復10ドルが取引手数料となりますが、EURJPYの場合は10ユーロ、GBPAUDの場合は10ポンドとなります。
では3つのケーススタディをみてみましょう↓
事例A:1ドル = 120円のUSDJPYで3ロット取引した場合
1ドル = 120円のUSDJPYで3ロット(30万通貨)を取引した場合、往復の取引手数料は3 x 10ドル = 30ドルとなります。円建て口座で取引する場合は、30ドル x 120 = 3,600円となります。
事例B:1ユーロ = 1.2ドルのEURUSDで5ロット取引した場合
1ユーロ = 1.2ドルのEURUSDで5ロット(50万通貨)を取引した場合、往復の取引手数料は5 x 10ユーロ = 50ユーロとなります。この場合、ドル建てでは50ユーロ x 1.2 = 60ドルが取引手数料となり、円建て口座(事例A同様1ドル = 120円と仮定)で取引する場合は60ドル x 120 = 7,200円となります。
事例C:1ポンド = 1.3ドルのGBPUSDで0.6ロット取引した場合
1ポンド = 1.3ドルのGBPUSDで0.6ロット(6万通貨)を取引した場合、往復の取引手数料は0.6 x 10ポンド = 6ポンドとなります。この場合、ドル建てでは6ポンド x 1.3 = 7.8ドルが取引手数料となり、円建て口座(事例A同様1ドル = 120円と仮定)で取引する場合は7.8ドル x 120 = 936円となります。
トータルコスト(スプレッド + 取引手数料)の求め方
XM Zero口座のトータルコストは、スプレッドと往復の取引手数料を合算したものになります。
売りレート(BID)=108.300・買いレート(ASK)=108.301のドル円で1ロット(10万通貨)の取引をする場合、まずスプレッドとして0.1pips掛かり、取引手数料の10ドル(1,083円)は約1.1pips(厳密には1.083pips)に相当するため、トータルコストは約1.2pipsという計算に。ドル円の場合、円安ドル高になると取引手数料が高くなり、逆に円高ドル安になると安くなります。